クヌートとHirukoはルクセンブルグの空港でアカッシュというサリーを着たトランスジェンダーのインド人に出会う。アカッシュは、クヌートを「美味しそうな青年」と感じる、と同時にどこの出身か分からないHirukoにも興味を持つ。彼(?)は、二人の関係や話す言葉、仕事にも興味を持つ。そして、二人の目的地を案内しながら、お互いに言葉を交わす。
話す言葉が色々なだけではなく、3番目のジェンダーが現れて、今後の進展が楽しみになってきた。多和田の小説には知性が感じられる。会話や地の文(結局全てと言う事?)に、歴史や文化が散りばめられ、それに乗るようにリズミカルに読書が進む。