2017年4月13日木曜日

岡本 雅享 著「出雲を原郷とする人たち」


 朝日新聞に書評が載っていた。面白そうなので市の図書館から借りた。
 しかし、大和朝廷ができる前に、出雲系の人々が多くの場所に住んでいたとか、出雲から様々な場所に移住したとかいう内容を考えていたのだが違っていた。しかも想定したよりもびっしりと字が詰まっていて、本文は何と330ページ強ある。それで読み切れなかったという分けではないが、些事にかまけて後回しになり、52ページ(越前国9節)で挫折してしまった。
 越前国の章などは、ソリコ舟を操る反り子の話が出てきて、それが移住した証しであるなど、実証的であり、内容は面白い。しかし、遡って、せいぜい700年代(八世紀)の話である。期待していたものとは違っていた。時間に余裕ができ、(図書館の本なので)待ち人がいなくなったら読んでみたいと思うが、多分、そんな時期は来ないと思う。


 金達寿が著した「日本の中の朝鮮文化」の手法に似ていなくもない。真剣に読み始めれば面白いだろう。こういった実証的歴史本が好きな方には、お勧めの一冊ではある。