朝日新聞の12日(2014年8月)の夕刊に「京ものがたり 河野裕子が登った大文字山」という記事が載っていた。
”五山の送り火”は、16日午後8時の大文字からスタートするとある。この記事は「大文字」の紹介なのだろうが、私は「河野裕子」を悼むためのものとしてスクラップした。彼女が亡くなったのは2010年8月12日。乳がんが再発、64歳の若さだった。それから、はや4年が経ったことになる。
この記事には有名な最後の一首、「手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が」を含めて四首が載っている。
たったこれだけの家族であるよ子を二人あひだにおきて山道のぼる
君を打ち子を打ち灼けるごとき掌よざんざらばらんと髪とき眠る
遺すのは子らと歌のみ蜩のこゑひとすぢに夕日に鳴けり
夫である永田和宏の歌も載っている。
かなしいが親子ではなく夫婦だとひとり飯食ふときに思う
誰からも愛されたという。そして家族を愛し、歌を詠んだ河野裕子はもういない。
0 件のコメント:
コメントを投稿