2017年7月5日水曜日

武田 徹 著「日本ノンフィクション史  ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで」(中公新書)


 著者は、”はじめに” に書いている。「小説中心の文学史の本ってそれこそ掃いて捨てるほどありますが、そう言えば、ノンフィクション史の本ってありませんよねー。」。かつて、「ノンフィクション作家」の肩書きで呼ばれていたこともある著者が、この本を書く事になったのは、上記の事が動機らしい。

 この本は、表紙の裏に書かれているように、記録文学、ルポルタージュから初めて、ノン・フィクション、ニュージャーナリズム、私ノンフィクション、そしてケータイ小説、リテラリー・ジャーナリズム、アカデミック・ジャーナリズムに至るまで、その定義と実例を挙げて論じている。しかし、単なる解説にとどまらず、その時々の社会状況を踏まえて、(ノンフィクション)作品がどう変わっていったかをたどっているのが良い。一読に値する新書である。


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